文責 柔道整復 創健堂 院長 榊原孝文
健康な身体作りには、栄養に配慮した食事が大切!
「当たり前やん」と言われそうですが、でもどのような食事をしたらいいのか、どの栄養素をどのくらい摂ったらいいのかは、分かりにくいですよね。
食物に含まれる様々な成分の中で、私たちの体内で正常な生命活動を行うために、必要不可欠な物質のことを『栄養素』といいます。
栄養素には以下のものがあります。
①タンパク質
②脂質
③炭水化物
④ビタミン
⑤ミネラル
①②③をまとめて三大栄養素、そこに④⑤を加えて五大栄養素という言い方をします。
これ以外に「食物繊維」「水」も、生命活動に不可欠ということから、五大栄養素に加えて六大栄養素・七大栄養素と言われることがあります。
私たちの身体は、食物繊維を消化するための酵素をつくり出すことができないのですが、その役割を腸内細菌に託しています。このことについては別のページでお話しします。
ここでは、ビタミンについてお話しますね。
ビタミンには13種類あり、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分けられます。
水溶性ビタミン(9種類)
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン
ビタミンC
脂溶性ビタミン(4種類)
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK
●水溶性のビタミンは、水に溶けやすく尿で排出されやすい為、体内に貯蔵しにくいので毎日、必要量を継続的に摂り入れないといけません。
●脂溶性のビタミンは、油に溶けやすく、細胞内にも取り込みやすい為、体内に留まりやすく摂りすぎると過剰症が現れる可能性があります。
ひとつのビタミンであっても体内では様々な場面で働いています。
ビタミンCを例にあげると・・・
①抗ウイルス物質(インターフェロン)の合成
不足すれば・・・【一例】風邪を引きやすくなる
②抗ストレス物質(コルチゾン)の合成
不足すれば・・・【一例】免疫機能の低下から病気になりやすい
③骨・血管増強物質(コラーゲン)の合成
不足すれば・・・【一例】骨折しやすい、骨粗鬆症になる、出血しやすい
これ以外に多くの働きがあるのですが、わかりやすくこの3つを挙げます。
ビタミンCが不足した場合、「Aさんはストレスはあまり感じないようなんだけど、骨折しやすくなった」とか「Bさんは骨は丈夫そうなんだけど、すぐ風邪を引くようになった」とか、「Cさんは骨は丈夫そうなんだけど、ストレスがかかるとすぐ胃腸の調子が悪くなるようになった」など、人それぞれに体質の違いから、働きの順番が違います。
①→②→③
①→③→②
③→②→①
②→③→① 等など
でも、不足状態が長く続けば、すべての人が①②③それぞれの働きを失うようになり、病気やけがを招くようになってしまうんですね。
ラット(実験用のねずみ)は、人間と違って自らビタミンCを作ることができます。ラットが一日に作るビタミンCを元に、人間の必要量を計算すると1日18gのビタミンCを摂らなければいけないことになるそうです。
レモン1個50mg 50×20個=1g(1000㎎) 20×18=360個
1日360個のレモンを食べるなんて無理ですね。こういう時にはサプリメントを活用しましょう。
【医薬品とサプリメント(栄養補助食品)の違い】
医薬品は効能・効果・用量・用法を明記できる。(しなくてはいけない)
サプリメント(栄養補助食品)は、効能・効果・用量・用法を明記できない。
医薬品の中にはビタミン剤が含まれます。一方でサプリメントの中にもビタミンが含まれる製品があります。これはどちらであっても、同じビタミンなら働きは同じです。
ビタミン剤の説明書を読んでビタミンの効能・効果を調べてから、医薬品とサプリメントのどちらを選ぶかは製品に含まれるビタミン量を比較する方法があります。
医薬品の説明書に書かれている用量は最低必要量(病的状態を引き起こさない最低の量)に若干上乗せした量(安全量)になっています。しかし一方で、数倍~十数倍の摂取量でビタミンの薬理効果を得ようとするメガビタミン主義という考え方もあります。
ビタミンは身体にとっては食品の中に含まれるものであり、身体に入ってきてほしくない異物ではありません。水溶性のビタミンであれば過剰になれば尿などで排泄されるので摂り過ぎの心配はないでしょう。
病気のリスクを下げるには、良質のタンパク質とビタミンの摂取、活性酸素から身を守ること
活性酸素とは体の中の何でも錆び(酸化)させてしまう酸素のことです。
この活性酸素の“悪さ”を打ち消す働きをビタミンCは持っています。
栄養素をしっかり摂らなかったことで病気になってしまったのに、薬で健康になろうと考えるのは正しくありません。
不足している栄養素をしっかり摂ることが回復への最善策です。