活性酸素は『もろ刃の剣』
コラム
車や電車を動かすには、エネルギーが必要です。
エネルギーは、車輪を動かすために必要な『ちから』、エネルギーをつくり出すためにガソリンを燃やしたり電気を利用したり、最近では水素を利用したシステムも開発されていますね。
私たちが生命を維持するのにもエネルギーが必要で、このエネルギーとして使われるのがATP(アデノシン三リン酸)という物質です。
ATPは細胞の中にあるミトコンドリアと呼ばれる小さな器官で作られます。
※動画の中で緑色に光っているのがミトコンドリアです。
食事によって体内に取り入れた肉や野菜などの栄養分(タンパク質など)は、そのままでは使えないので、アミノ酸などに分解されて、それを皮膚や筋肉、内臓など各器官をつくったり、ホルモンなど身体の調節に働く物質に変化させています。
このように、身体に取り入れたものを別の物質に変えることを代謝といいますが、この代謝にエネルギーが使われます。
盛んに代謝が行われる時には、ATPを大量に生産され消費されます。
ATPが作られるとき、発生する『活性酸素』
『活性酸素』とは一つの物質の名称ではなく、何種類かの物質を総称したもので、「スーパーオキシドラジカル」「過酸化水素」「ヒドロキシルラジカル」「一酸化窒素」などがあります。
これらの物質は強い酸化力をもっていますが、その強さはそれぞれ大きく異なります。
「酸化」から思い浮かべるのは、鉄のサビではないでしょうか。「酸化」には、反応の速さの違いから「さびる」「燃焼」「爆発」の3種類がありますが、活性酸素による酸化は、「さびる」というようなゆっくりしたものではなく、もっと激しいものです。
活性酸素は、血管を作るためにも精子をつくるためにも、体内に侵入する細菌を破壊するためにも使われる物質で、必要不可欠なものです。このような生命活動に必要な働きをする活性酸素を『善玉活性酸素』といいます。
ATPが作られる過程である種の活性酸素はできてしまうのですが、身体の中にはそれを消去するシステムがあります。しかしそのシステムが壊れたり、一気に多量のATPがつくられることで発生する活性酸素によってミトコンドリアは壊され、細胞も破壊されます。このような破壊行為をする活性酸素を『悪玉活性酸素』といいます。
活性酸素の中で最も酸化力の強いのが「ヒドロキシルラジカル」
ヒドロキシルラジカルは身体にとって必要な役割は全く無く、遺伝子やたんぱく質、脂質を酸化して破壊することしかしない物質で、『悪玉活性酸素』と呼ばれます。
活性酸素はこんなときに発生します。
☑ストレスが多いとき
☑エネルギーが急に少なくなったとき
☑急に酸素が入ってきたとき
☑早食いをしたとき
このように急な変化を生んだとき、あるいは、心に余裕がないときに活性酸素は発生してしまうのです。
悪玉活性酸素が多量に発生すれば、それだけ細胞はダメージを受け、組織や器官もダメージを受けることで体調不良や病気にもつながります。
【抗酸化ビタミン、抗酸化物質】
これまで、ひとくくりに「活性酸素は体に悪い」という考え方から、活性酸素の害から身体を守るために、抗酸化作用のあるビタミンE、ビタミンC、βカロチン、アントシアニン、カテキンなど様々な物質が話題に上り、これらを積極的に食品として食べる方もいますね。
しかし、これらの物質がもつ抗酸化作用は、良い働きをする活性酸素にも働きかけてしまうので摂り過ぎに注意が必要です。
様々な病気の原因となる『悪玉活性酸素』ですが、それを選択的に消去してくれる働きが「水素」にあり、多くの病気に対する効果があることを、水素研究の第一人者である太田茂男教授(日本医科大学教授)が、自身のサイトで紹介しています。
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活性酸素の害から身体を守って、より健康な毎日をおくってくださいね。